ブリーダーとして独立・開業するには?

フリーランスのブリーダーの働き方・仕事内容

フリーランスのブリーダーは、動物たち中心の生活になります。

朝は犬の散歩からスタートし、とくに夏場は、まだ涼しい時間帯の4時や5時頃から動きはじめる人が多いです。

日中はエサやり、清掃など動物たちの世話をしながら、隙間時間に買い物に出かけたり、事務作業などをこなしたりして、あっという間に夜を迎えます。

出産がある場合は24時間体制で付き添うこともあるため、そのまま寝ずに対応することもあるでしょう。

日常的な動物の世話はもちろん、適切な繁殖を行うこと、取引先のペットショップなどの企業や飼い主となるお客さまへの営業なども重要な業務の一部です。

インターネットで動物を販売する場合には、ホームページの運用やお客さまからの問い合わせ対応、飼うにあたってのアドバイスなども行います。

また、フリーランスは会社員とは違い、経費管理なども自分で行わなければいけないため、細かな雑務も含めると業務内容は多岐にわたります。

20代で正社員への就職・転職

20代で正社員への就職を目指す

「Re就活エージェント」は、第二新卒・既卒・フリーター・ニート向けサービス。20代未経験OKの求人が多数。

20代登録比率No.1

良いブリーダーの条件とは? 悪質ブリーダーとの違いは?

良いブリーダーの条件は?

良いブリーダーの条件は、「幅広く深い知識を身につけている」と「動物がストレスなく暮らせる環境を整えている」の2点です。

それぞれについて、詳しくみていきましょう。

幅広く深い知識を身につけている

良いブリーダーは、動物に関する幅広く深い知識を身につけています。

勉強を深めて動物たちの負担にならない範囲で繁殖を進め、病気やリスク回避する努力を惜しみません。

また飼育している動物や、子犬・親犬たちの健康診断や治療を動物病院で行ってもらい、健康維持に努めています。

しかし、一部のブリーダーは、金銭目的で乱繁殖を繰り返し、動物に負担をかけるのもお構いなしで商売を続けています。

そのため、ブリーダーがもつ知識はもちろん、どのような意識で動物を育てているのかを、自分自身でしっかりと確認することが大切だといえます。

動物がストレスなく暮らせる環境を整えている

ブリーダーの良し悪しを考えるにあたっては、動物がストレスなく暮らせる環境を、丁寧に整えているかどうかも大事なポイントです。

自分が育てる動物にどれだけの手間とコストをかけるかは、ブリーダーの考えが反映されています。

なかには出来るだけコストを削減しようと、栄養のことを考えずに動物に安い餌ばかり与えていたり、室温調節もきちんと行わずに育てているケースもあるとされるため、注意が必要です。

たとえ同じ犬種でも、子犬の販売価格はブリーダーによって数万円〜数十万以上の幅が出ることがあります。

差額に驚く飼い主もいますが、よい環境で産まれている動物は、それなりのコストがかかっていることも事実です。

もちろん高ければよいというわけではありませんが、高い金額の裏には、それなりの明確な理由がある場合も十分に考えられます。

ブリーダーがどのような環境で動物を育てているかも、きちんと確認しておきましょう。

悪質ブリーダーとの違い

ここからは、良いブリーダーと悪質ブリーダーとの違いをまとめました。

悪質ブリーダーとの違いを大きくまとめると、「法律に基づいた運営をしている」「アフターフォローが充実している」の2点です。

それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

法律に基づいた運営をしている

良いブリーダーと悪質ブリーダーとの大きな違いは、法律に基づいた運営をしているかどうかです。

動物愛護法は、年々改正が進んでおり、2019年6月に「動物の愛護及び管理に関する法律等の一部を改正する法律」が公布されました。

犬や猫の販売はこれまでは50日齢(49日を経過してから)でしたが、今後は「生後57日齢から(56日を経過してから)」となります。

ただし、天然記念物の日本犬は、これまで通り50日齢までと例外です。

またブリーダーが販売する場合、飼い主となる人に対して「動物の現状を直接見せること」と「対面による説明を行うこと」も義務付けられています。

最近はインターネットを通じて販売するブリーダーも増えていますが、飼い主がサイトに掲載されている動物の写真だけを見て、動物を購入するのは法律違反です。

「動物を購入したものの、実は感染病にかかっていたようで、すぐに死んでしまった」という、悪質ブリーダーによる被害の増加が背景にありました。

現在では、直接動物を見て、販売者からその動物の特徴や、適切な飼育方法の説明を受けることが不可欠です。

良いブリーダーであれば、ホームページなどにこうした情報を公開していることが多いため、わかりやすいでしょう。

アフターフォローが充実している

アフターフォローが充実しているかも、良いブリーダーと悪質ブリーダーの大きな違いです。

たとえば良いブリーダーは「譲り渡した日から〇〇日の生体保証」ということも打ち出しています。

健康な動物を購入することが大前提ですが、万が一その期間に動物の身に何かあった場合は、適切な対応をしてくれる保証になるため、安心材料になるでしょう。

また、トップブリーダーは、しつけや問題行動などに対するアドバイスも適宜行ってくれます。

ただ売ることだけを目的とするブリーダーではなく、きちんとアフターフォローを行うブリーダーを選ぶようにしましょう。

フリーランスのブリーダーになるまでのキャリアパス

ブリーダーになるにあたって、特別な資格や免許は必要ありません。

しかし、動物をきちんとした環境で飼育し繁殖を行うためには、動物の生態に関することはもちろん、食生活や病気などに関する知識も必要です。

これらの正しい知識を持っていなかったり、経験が浅いまま独立・開業をしても、ブリーダーとして成功することは難しいでしょう。

そのため多くの人は、動物の専門学校や通信講座などで体系的に知識を身につけてから、トップブリーダーのもとで修行をしたり、ブリーダー業を営む会社に勤めたりして、スキルを身につけてから独立を目指します。

いよいよフリーランスのブリーダーになる際には、「動物取扱業の届け出」「開業資金」「法律」について気をつける必要があります。

動物取扱業の届け出は、ブリーダーとして動物の販売をするために必須です。

この届け出をするには「動物取扱責任者」の資格を取る必要があり、まず以下の3つの要件のいずれかを満たす必要があります。

・動物病院やペットショップなどで6ヶ月以上の実務経験を積む
・1年以上教育する動物に関する学校(大学・短大・専門学校など)を卒業している
・動物関連の資格を持っている

動物取扱責任者となったのち、登録申請や施設の立ち入り検査など所定の手続きを終えると、営業を開始することができます。

詳細は各都道府県で若干の違いがあるため、開業したい地区を管轄する健康福祉センター(保健所)などに確認してください。

また動物を交配し、出産させて流通に至るまでは、収入がゼロの状態になります。

収入が得られるまでの期間、動物のエサ代はもちろん、ワクチンの接種費用、万が一病気になったときの病院の費用など、諸経費も必要です。

個人で小規模のブリーダー業を営む場合には、大掛かりな設備を用意しなくても問題ないものの、こうした費用などを踏まえて開業資金は計画的に貯めておくとよいでしょう。

また「動物愛護管理法」という法律も理解しておくことが大切です。

「インターネット販売の規制」では、ブリーダーがインターネットを介して動物を販売する場合、最低でも1回は購入者と直接会い、説明や現物確認をしなければいけません。

また「多頭飼育」についても、住んでいる地域によっては条例で一定頭数以上は届け出が求められることもあるため、最新情報を常にチェックしておきましょう。

フリーランスのブリーダーになるには、知識や経験を身につける期間と、法律上の条件をクリアしたり、開業資金を貯めたりする計画が必要です。

20代で正社員への就職・転職

20代で正社員への就職を目指す

「Re就活エージェント」は、第二新卒・既卒・フリーター・ニート向けサービス。20代未経験OKの求人が多数。

20代登録比率No.1

フリーランスのブリーダーのメリット・デメリット

フリーランスのブリーダーのメリットは、自分の理想のブリーディングができることでしょう。

トップブリーダーのもとや企業で働く場合は、師匠や会社の方針に従わなければいけません。

しかし独立・開業をすれば、自分の思い通りに世話をしたり、繁殖させることが可能です。

さらに自分のライフスタイルに合わせて、仕事ができることも魅力です。

動物たちのお世話は年中無休で大変なときもありますが、環境が整っていれば、休みが取れないわけではありません。

短時間リフレッシュに出かけたり、仕事の合間に家庭の用事を済ませたりできるのは、フリーランスならではの時間の使い方といえるでしょう。

しかし、正しい知識を持たずに経験が浅いまま独立・開業しても、ブリーダーとして成功できる可能性は低いです。

さらに、すべての責任を負う必要があるとも忘れてはいけません。

昼夜を問わず動物の世話をしなければいけなかったり、場合によっては動物の死に立ち会わなくてはならないこともあるため、独立の前にはそうした厳しさをしっかりと理解しておきたいものです。

フリーランスのブリーダーの給料・年収

フリーランスのブリーダーの給料・年収は、ひとことでいえば「ピンキリ」といえます。

飼育している動物たちが計画通り子を産めるかや、想定どおりの金額で購入してもらえるかは、そのときにならないとわかりません。

犬を繁殖させるには、エサ代、ペットシート代、ワクチン代、病院の診察代などさまざまな諸経費がかかるため、売り上げから経費を差し引いた金額が収入になります。

そのため収入が不安定になりやすく、経費を差し引くと年収200万円にも満たないブリーダーもいるようです。

その一方で、トップブリーダーとして成功し、年収1000万円以上稼ぐ人もいます。

世界的トップブリーダーとして著名になれば大きな金額を稼ぐことができるため、実力によって給料や年収が大きく変わる仕事だといえるでしょう。