プロボクサーに必要なこと

心は熱く、頭は冷静に

ボクシングでは、よく「心は熱く、頭は冷静に」といわれます。試合では、「相手を必ず倒す」という熱い闘争心が欠かせませんが、頭までカッと熱くなっては、まず勝てません。

試合前、相手をにらんだり、挑発したりするのは、相手をカッカッさせ、頭に血を昇らせるための作戦でもあります。

「頭は冷静に」とは、相手の動きやクセをよく見て分析したり、試合展開を読むことの大切さを表しています。実力的に同レベルの対戦では、一瞬のスキをついたり、試合展開を読みながらペース配分することが大切になります。

危険を感じて目をつぶるのは中脳の反射

また、相手の動きやクセをよく見るためには、試合中、何があっても目をつぶらないことも重要になります。

人間は、目の前に手が出たり、ボールが飛んでくると、思わず目をつぶってしまいます。これは、赤ちゃんでも同じで、人間が先天的にもつ中脳による反射とされています。

迫りくる危険に対して、目を守ったり、少しでも恐怖をやわらげようという意味があります。

しかし、ボクサーが、相手のパンチに対して目をつぶってしまうと、まともにパンチを受けてしまいます。また、ボクサーが目をつぶることは、相手に対してスキを見せることになります。

顔面へパンチを出されても目をつぶらないことが大事

たとえ相手が目や鼻を狙ってパンチを出してきても、そのパンチをしっかり見て避けたり、ブロックすることが大切です。

また、相手がパンチを出すタイミングは、攻撃の大きなチャンスでもあります。相手のパンチに対応しながら、相手の動きをしっかり見てパンチを出すコースを見つけます。

カウンターを確実にヒットできれば、試合を有利に展開することができます。

試合中、目をつぶらないためには、日頃からそれを強く意識して、スパーリングなどで訓練を繰り返すしかありません。

さらに、ボクサーとして強くなろうと思えば、動体視力を鍛え、スピードのあるパンチでもくっきりと見える能力を養うことが必要になります。

どんな時もアゴが上がらない姿勢が大事

試合中にアゴが上がると、パンチを受けた時、脳が揺れやすくダメージを受けやすくなります。現実にアゴへの一発で、ダウンすることすらあります。

そのため、日頃からアゴを引いた状態を身につけ、簡単にアゴが上がらないようにトレーニングしておくことも必要です。

また、人間は、疲れてくるとアゴが上がりやすくなります。ボクシングでも、疲れてきた時、それだけアゴにパンチをもらいやすく、ダメージも大きくなります。

スタミナを養うことが大事なのは、そういう理由もあります。