貿易事務の現状と将来性

社会的変化により大きく影響を受ける輸出入業界

経済のグローバル化に伴い、日本の輸出入の貿易総額は40年前に比べると約4.64倍へと増加しています。

2014年の貿易総額は約159兆円に達し、アメリカ、中国、EUに次いで世界第4位の貿易立国として、多くの物が輸出入されています。

一方で、たとえば2009年のリーマンショック以降には貿易総額が大幅減になるなど、貿易は国内外の経済動向や産業構造の変化などの影響を非常に受けやすく、また取り扱われる物も日々変化していきます。

お酒や食品などの嗜好品や、ファッション、カルチャーの面でも、日本から世界へ、世界から日本への交流がますます盛んになってきており、中小規模の貿易会社で独自の輸出入品を手がけているところも多いです。

最近ではインターネット通販の拡大により、国内外によらず物の売買が行われるようになっています。

また、中小企業や個人であっても積極的に海外ビジネスを展開する機会も増えているため、貿易事務へのニーズは増々高まっているといえるでしょう。

貿易事務の仕事は生き残る?

こうした世界と日本の経済交流がある限り、貿易事務の知識を持った人材は必要とされ続けるでしょう。

しかし、輸出入に関わる書類作成などの定型業務は、プログラミング技術が発展し、コンピューターのクラウドシステム上で発注側と受注側が直接やりとりできるような仕組みができると、貿易事務の仲介を通さなくても可能になるかもしれません。

貿易事務という仕事自体は将来的には生き残っていくでしょうが、より高度な調整業務に特化されるなど、役割の変化が起こる可能性はあります。

その影響として求人数の減少も考えられます。

これはどの職業にも言えることですが、人工知能の発達などにより、人間の仕事が人の手でしかできない物事に先鋭化されていく傾向があります。

一朝一夕に大変化が起こるわけではないでしょうが、貿易事務の仕事を長く続けたいのであれば、定型業務以外でのスキルを高めていく必要があるでしょう。

貿易事務の経験を活かして出来ること

企業に属して貿易事務を経験したのち、もう一歩進んだキャリアを形成したいと考えたとき、将来的に貿易事務の経験を活かして独立を考えることもできます。

たとえばeコマースのウェブサイトを立ち上げ、個人事業主として特定の物品を輸入し、販売する仕事には、貿易事務としての経験が多いに役立つでしょう。

または事業を法人化して、少し規模の大きい卸売り業者として、国内に顧客を抱えることもできます。

この場合、通関士の資格を持っていると大きなプラスポイントになるでしょう。