【2023年版】美容師国家試験の難易度・合格率

美容師資格とは

美容師として働くためには、美容師国家資格が必要です。

そのためには、厚生労働大臣指定の美容専門学校の必要課程を修了し、受験資格を得て美容師国家試験に合格し、美容師免許を取得しなければなりません。

美容師を目指す場合は、認可を受けた美容専門学校に昼間2年間または通信の場合は3年以上と通学し知識やスキルを身に付けることが必要です。

美容師国家試験は、「筆記試験」と「実技試験」で構成されており、両方に合格すると美容師免許を取得することができます。

試験は毎年2月と8月に行われ、多くの学生は在学中の2月に受験しますが、不合格となった場合は翌年に再度受験します。

2月試験の合格率は80%前後、8月試験の合格率は40%から60%と大きな差があるため、在学中にしっかりと資格取得のための勉強をすることが美容師への第一歩となります。

美容師になるには

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美容師国家試験の難易度・勉強時間

筆記試験の難易度

美容師国家試験の筆記試験については、専門学校の授業をきちんと受け、過去問で対策しておけば十分に合格できる内容です。

毎年合格率は高い試験であり、受験者数が減少していることを考えると、今後も難易度が極端に上下することはないと考えられ、授業で真面目に学んでおけば、合格できる難易度といえるでしょう。

ただし筆記試験対策は暗記が中心のため、出来るだけ早いうちから教科書やテキストを読み込み、コツコツと勉強をしておくことが必要です。

専門学校でも試験対策をしますが、不安な人は過去問を解いたり、市販されているワークブックなどを使用したりするのもおすすめです。

過去問を解いていくことで、出題の傾向や自分の得意分野・苦手分野がわかるようになるでしょう。

実技試験の難易度

実技試験に関しては、とにかく日頃の反復練習が大切になってきます。

専門学校によっては、実際の試験を再現した模擬試験を実施するなど実技試験の対策をしっかり行いますので、真剣に取り組みましょう。

試験前は夜遅くまで残って試験までに何度も練習をするという人も少なくありません。

スピーディーかつ確実にできるようにしておけば、本番でも慌てずにできるようになるでしょう。

すでに美容室でアルバイトをしていたり、家が美容室で練習できる環境にあったりする場合は、先輩に指導してもらいながら練習するのもよいでしょう。

美容師国家試験の受験者数・合格率

美容師国家試験受験者数の推移

美容師国家試験新卒・既卒受験者数_令4

2月実施試験

2月実施の美容師国家試験受験者数は、ここしばらく横ばいの傾向にあります。令和4年度2月実施試験の受験者数は19,505人でした。

美容師国家試験(2月実施)受験者数_令4

8月実施試験

8月実施の美容師国家試験の受験者数は、平成25年には増えたものの、全体としては低下の傾向にあります。令和4年度8月実施試験の受験者数は3,548人となっています。

美容師国家試験(8月実施)受験者数_令4

美容師国家試験合格率の推移

美容師国家試験新卒・既卒合格率_令4

2月実施試験

2月実施の美容師国家試験合格率は、85%前後を推移しています。令和4年度2月の合格率は88.5%となりました。

美容師国家試験(2月実施)合格率_令4

8月実施試験

ほとんどの美容学生は在学中の2月の試験を受験します。不合格となってしまった場合には、翌年度の8月の試験を受験することになります。

美容師国家試験の合格率において、2月と8月で差があるのは、2月実施の試験の方が、新卒生の割合が多いためです。

8月実施の美容師国家試験合格率は、40%強から60%付近を推移しています。令和4年度8月試験の合格率は60.5%となっています。

美容師国家試験(8月実施)合格率_令4

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令和5年度第48回  美容師国家試験の概要

試験日 ・実技試験:令和5年8月1日(火)から
・筆記試験:令和5年9月3日(日)
※試験は2月と8月の年2回実施。
試験地 <実技試験>
秋田県、栃木県、富山県、長野県、岐阜県、滋賀県、和歌山県、島根県、徳島県、香川県、
長崎県、大分県、宮崎県、沖縄県を除く各都道府県で実施
<筆記試験>
北海道、岩手県、宮城県、東京都、石川県、愛知県、大阪府、岡山県、広島県、愛媛県、福岡県、鹿児島県、沖縄県
受験資格 理容師・美容師養成施設で、次の課程を修了した人
《平成10年4月1日以降に入学した人》
・昼間課程:2年以上
・夜間課程:2年以上
・通信課程:3年以上
理容師・美容師養成施設で、次の課程を修了した後、1年以上の実地習練を経た人
《平成10年3月31日以前に入学した人》
・昼間課程 1年以上
・夜間課程 1年4ヵ月以上
・通信課程 2年以上
<試験の免除>
・「実技試験及び筆記試験」の両方を受験した人のうち、筆記試験のみに合格した人は、その申請により、次回の試験に限り、筆記試験の受験を免除
・「実技試験及び筆記試験」の両方を受験した人のうち、実技試験のみに合格した人は、その申請により、次回の試験に限り、実技試験の受験を免除
試験科目

実技

1.美容の基礎的技術
  第1課題:カッティング
  第2課題:ワインディング
2.美容を行う場合の衛生上の取り扱い
  用具類の衛生状態及び衛生上の取り扱い

筆記

・関係法法規・制度 10問
・衛生管理(公衆衛生、環境衛生、感染症、衛生管理技術) 15問
・美容保健(人体の構造及び機能、皮膚科学) 10問
・香粧品化学 5問
・文化論及び理(美)容技術理論 15問

合格基準 1 筆記試験の合格基準
次の両方の条件を満たしている場合を合格とする。
(1)55問中60%以上の正答率であること
(2)何れの課目においても無得点がないこと
 また、理容師免許所持により美容技術理論のみの受験を申し出た者については、美容技術理論12問中7問以上の正答した場合に合格とする。
2 実技試験の合格基準
次のいずれも満たしている場合を合格とする。
・衛生上の取扱試験の減点が20点以下
・基礎的技術試験
 第1課題 カッティングの減点が30点以下
 第2課題 オールウェーブセッティングの減点が30点以下"
合格率 60.5%(令和4年度第46回)、88.5%(令和4年度第47回)
合格発表 令和5年9月29日(金)
受験料 ・実技試験及び筆記試験(両方)受験 25,000円
・実技試験(のみ)受験 12,500円
・筆記試験(のみ)受験 12,500円
詳細情報 財団法人 理容師美容師試験研修センター

美容師国家試験合格のポイント・実技試験は何をする?

美容師国家試験のポイント

筆記試験

国家試験で出題される問題や、授業で習う内容は、美容師の基礎知識として大変重要なものです。

今後美容師として働く上で必要になってくるものであるため、ただのテスト対策として捉えないようにしっかりと学習しなくてはなりません。

学科の国家試験の特徴として、過去に出題された問題の解答を理解することが有効です。

同じ問題が出題されることはあまりありませんが、内容さえ理解していれば、似たような問題も簡単に解答できるでしょう。

名称を答える問題などは、確実に答えられるように把握する必要がありますが、数としては覚えきれないほどの数ではありません。

美容師国家試験の筆記試験は、授業中に講師が重要だと伝えた項目を十分に理解していれば、解答できる問題ばかりです。

それでも、既卒生を含めると毎年20パーセント近くの学生が学科を落としているため、決して手を抜かず、最善を尽くすよう心がけましょう。

実習内容

技術的なものに関しては個々の差がより出やすいため、真剣に取り組む必要があります。

最初のうちは時間の制限や道具の取り扱いに戸惑うこともありますが、練習を繰り返せば、必ずできるようになります。

技術に関してはとにかく反復練習が大切です。

専門学校の講師など、たしかな指導者のもと諦めずに繰り返し練習するよう心がけましょう。

美容師国家試験の採点方法

筆記試験

50問中60パーセント以上の正解率で、各項目でいずれも無得点がないこと。

実技試験

衛生上の取り扱いが30点減点、カッティングが40点減点以下、オールウェーブセッティングが50点減点以下であること。

実技試験では時間制限も設けられているため、時間内に基準値以上の作品を残さなくてはなりませんが、学校できちんと学んでいる場合、それほど難しい基準ではありません。

合格率の割合

試験は春、秋と年2回受験できます。

新卒者の春の合格率は90パーセント前後、既卒者は35パーセント前後です。

また、新卒者の秋の合格率は60パーセント前後、既卒者は40パーセント前後となり、いずれも新卒生の合格率が高い傾向にあります。

また、毎年新卒者の春の試験では90パーセント前後の合格率を維持しています。

現役に近いほうが春秋ともに合格率が高いことが特徴です。

不合格者の傾向

試験当日の体調不良

どれだけ入念な準備をしていても、試験当日に体調を崩してしまえば十分なパフォーマンスを発揮するのは難しくなります。

せっかくの努力を無駄にしないためにも、試験前の体調管理も十分に気を遣い、万全の状況で挑むように心がけましょう。

授業中や試験対策中の怠慢

専門学校に通っていれば、美容師試験に必ず合格するというものではありません。

授業や試験対策を怠っていては、合格するのは難しいでしょう。

専門学校ではしっかりと試験対策をしてくれますので、それを集中して聞くだけでも十分な知識と技術が身につけられます。

衛生面での配慮不足

実技試験では、衛生面の試験もあります。

道具の扱い方が乱暴だったり、不衛生な行動をとったりすると減点されてしまい、作品がうまく出来ていても不合格となることもあります。

作品の出来だけにこだわるのではなく、衛生管理にもしっかりと気を使いましょう。