美容部員のこだわり(体験談)

執筆者:ミヤ 36歳 女性 経験年数3年

仕事道具は、お客さまの「ちょっと嬉しい」のために

美容部員のこだわりといえば、まずメイクアップブラシ、鏡、ピン、ケープやターバンなどの仕事道具を思い浮かべる人も多いでしょう。

ブラシは全員が自社製品を使用しますし、施術中に髪をまとめるターバンや服を汚さないようにかけるケープなども規定のものを使用しなくてはならないお店もあります。

ですが、私が働いていた専門店のように、美容部員それぞれが自分のこだわりの道具を使用しているところもあります。

大ベテランの美容部員の先輩が、同年代のお客さまのタッチアップをしていたときのことです。

「前髪にお化粧品が着かないように、ちょっと失礼しますね」と可愛らしいピンク色のピンでお客さまの前髪を留めました。

お客さまは「あら、うちの娘が好きそうな髪留め。なんだかちょと恥ずかしいわ。もう年だからピンクなんて全然持ってないし。でも、こういう時くらいこんなのもいいわね!」と少し照れながらも嬉しそうでした。

たとえば、メイクをする前に、普通のケープではなくきれいな色柄のスカーフをふわっとかけてもらったら…

メイクの仕上がりを見るときに、まるでお姫様が持っているようなすてきな手鏡をそっと差し出されたら…

私たち美容部員は、普段の何気ない仕事のなかでも常にお客さまの気持ちを想像するのよ」という先生のお言葉は、今でも心に残っています。

美容部員のこだわりの仕事道具は、自分の好みというよりもお客さまの「ちょっと嬉しい」気持ちのために選ばれたものなのです。

美しい自分でいること

美しくなるはもちろん自分自身のためですが、美容部員の場合はそれだけではありません。

美容部員は会社の顔なのです。

メイクや髪型、カウンターに立っているときの佇まい、タッチアップをするときの姿勢やブラシの持ち方、お掃除をしている姿すら美しくなければいけません。

私も「あと2cmヒールの高い靴を履きなさい。」「あなたパーマをかけたら?もう少し優しく華やかに見えるから。」「アイメイクは同期のあの子をお手本にしなさい」など細かく厳しくアドバイスを受けました。

私たちの顔は会社の看板商品であり、私たちはその会社のCMなのです。

美容部員は、お客さまに「この人が使っているアイシャドウが欲しい」「この人のような肌になるにはどの化粧水を使えば良いのだろう」「この人のようになりたい」と思われるようでなければならないのです。

美容部便の美へのこだわりは、仕事へのこだわりといってもよいでしょう。