ビオトープ管理士試験の難易度、合格率

ビオトープ管理士資格とは

資格の歴史と誕生の背景

「ビオトープ管理士」の資格は、「公益財団法人 日本生態系協会」が実施する民間資格で、ビオトープ事業を推進することを目的として1997年に誕生しました。

この資格を取得することで、地域で受け継がれた自然や歴史、文化など貴重な財産と、国際的な動向を踏まえたまちづくり・国づくりを実践できる技術者としての能力があることを示すことができます。

「生物多様性」や「持続可能」といった言葉の重要性が強く訴えかけられるようになった現代社会において、さまざまな産業でビオトープ管理士の専門性が求められ始めています。

資格の種類と概要

ビオトープ管理士の資格は、「計画管理士」と「施工管理士」2つの区分に分けられ、それぞれ「1級」と「2級」が存在します。

2種類の資格の違いは、以下の通りです。

計画管理士

まちづくりや地域づくりの視点から、自然生態系の保全・再生を行う。

施工管理士

設計・施工の現場により近い視点から、自然生態系の保全・再生を行う。

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ビオトープ管理士の受験資格

ビオトープ管理士の資格試験は、以下の通りです。

1級の受験資格

(以下のいずれかを満たす必要があります)
・四年制大学を卒業後、7年以上の実務経験
・大学院を卒業後、5年以上の実務経験
・短大・専門学校・高専のいずれかを卒業後、9年以上の実務経験
・高校卒業後、11年以上の実務経験
・技術士(建築・農業・森林・水産・環境)、1級土木施工管理技士、1級造園施工管理技士のいずれかの資格を取得後、4年以上の実務経験
・2級ビオトープ計画管理士、2級ビオトープ施工管理士、2級土木施工管理技士、2級造園施工管理技士のいずれかの資格を取得後、7年以上の実務経験

2級の受験資格

なし

ビオトープ管理士の難易度・勉強時間

試験内容

ビオトープ管理士試験は、年に1度実施されています。

試験内容は、1級では筆記試験と口述試験、2級では筆記試験のみが行われます。

筆記試験では「共通科目」として生態学、ビオトープ論、環境関連法が、「専門科目」として計画管理士試験では計画部門について、施工管理士では施工部門それぞれについての専門的な問題が出されます。

また、1級では記述問題と小論文が、2級では小論文もあり、1級の口述試験は試験官との疑似応答が実施されます。

試験の対策方法

ビオトープ管理士試験の対策方法としては、公式テキストを使用し、過去問を解いていくのが一般的です。

ビオトープ管理士の公式サイトでは、その他の受験に役立つ各種資料や参考書籍の紹介もなされています。

さらに、日本生態系協会では、試験の傾向と対策について学べるセミナーも開かれており、こうしたものを活用しながら試験合格を目指していく人が多いようです。

また、2級の試験は筆記試験のみとなっていますが、1級では筆記試験の合格者に対して口述試験が実施され、その内容は約15分にわたる試験官との質疑応答となっています。

そこではビオトープ管理士としての知識をはじめ、意思や信念が適切であるかどうかが判断されるようです。

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ビオトープ管理士の合格率

試験を実施する「公益財団法人 日本生態系協会」によると、平成28年度における合格率は、1級が約29%、2級が約56%と公表されています。

年度によって多少違いはありますが、たいていの場合2級のほうが高くなっています。

2級試験には受験資格が設けられておらず、あくまでも基礎知識を問うような問題が中心に出されており、難易度はそこまで高くないといえるでしょう。

ただし、こちらは誰でも受験が可能であることから、ビオトープ事業にそこまで深く関わっていない人が受験することもあり、単純に上記の合格率の数値で難易度をはかりきれないところがあります。

一方、1級には受験資格が設けられており、自然環境の保全や地域計画・設計などの領域における実務経験が必要とされます(必要年数は学歴などの条件によって異なります)。

試験のレベルとして「経験の豊富な事業の責任者レベル」と明示されていることからも、専門知識が問われてくる試験で、決してやさしい内容ではないといえるでしょう。