弁理士の仕事内容

特許庁への手続きの代理人

弁理士の多くは特許事務所で働いています。特許事務所の弁理士の仕事内容として最も代表的なものを挙げると、特許や意匠といった「知的財産」を権利化する際のサポートをすることです。

知的財産の権利化には特許庁への出願が必要になりますが、その手続方法はとても煩雑なものとなっています。そこで、知的財産権に関する深い知識を持った弁理士が発明者であるお客さまの代理人となり、お客さまにとって有利な権利が取得できるように動きます。

出願手続きの大変さ

知的財産は、出願すれば必ず登録されるというわけではありません。

弁理士がお客さまから依頼を受けたら、まずは世間で類似した内容の発明が出ていないか、特許に値する技術かなどを調べ、権利がとれる見込みがあるか鑑定するところからスタートします。

特許が取れると判断できたら、申請書類を作成します。書類の数は膨大で、かつ不備があると他社に特許を侵害されてしまう恐れもあるため、その特許の価値を守れるよう、綿密に作成されます。

そのため、技術に関する特許の申請にあたっては、かなり専門的な技術の知識が求められます。弁理士に理系出身者が多いのもこの理由のためです。

特許の申請は日本国内だけでなく、アメリカやヨーロッパなど海外へも出願することがあります。そのため、担当する業務によっては、海外の法律や英語力も不可欠となります。

出願後も気が抜けない

弁理士の仕事は出願して終わりというわけではありません。出願案件は特許庁の審査官が一件ごとに審査を行い、その正当性などをくまなくチェックされますが、場合によってはNGが出されることもあります。

これを「拒絶理由通知」といい、もしこの通知が出された場合は弁理士は専門的な検討を行い、意見書や補正書といわれる書類を作成します。出願したら終わりではなく、何とか審査に通るように最後まで責任をもって動かなければなりません。

こうして意見書や補正書によって審査官のOKが出れば、ようやく権利の取得にたどり着きます。

この一連の業務は細かく見ていくととても大変なで、弁理士たちは「どうやったら審査にパスできるか?」「より有利な権利にするためにはどうすればよいのか?」などを朝から晩まで考えます。

企業内弁理士の仕事

一方、特許事務所ではなくメーカーなどの企業内で働く弁理士もいます。彼らは外にお客さまを持つ特許事務所の弁理士と少々役回りが異なっており、基本的に自社のために仕事をします。

競合他社の特許調査や技術調査、開発者から提案されたアイディアの新規性調査、自社の出願業務手続き、特許戦略の立案などを幅広く行っています。

国際出願業務

知的財産権は「属地主義」といって、基本的にそれぞれの国ごとに権利が発生するという考え方がなされます。そのため、日本で特許権や商標権を取っていても、それがそのまま海外で使えるわけではなく、アメリカやフランスなどの各国ごとに権利化の手続きを踏む必要があります。

日本のお客さまが日本で権利化する業務のお手伝いを「内内業務」と呼ぶのに対し、日本のお客さまが外国で権利化する業務のお手伝いを「内外業務」、外国のお客さまが日本で権利化する業務のお手伝いを「外内業務」といいます。

近年ではこのような国際出願の数が増えているため、海外の代理人とメールや手紙をやりとりするなど、英語を使った業務の必要性が高まっています。