アスレティックトレーナーの現状と将来性

JASA-ATマスタープラン

アスレティックトレーナー(AT)には「JASA-AT」と「JATAC-ATC」という国内の民間資格と「NATA-BOC公認ATC」というアメリカの国家資格があります。

1994年にAT養成事業を開始した公益財団法人「日本体育協会(JASA)」はさらに1999年に「AT連絡会議」を設置し、2010年に「JASA-ATマスタープラン」を策定しました。

この「マスタープラン」とは「JASA-AT」の認知度の低さや職域のせまさ、他団体の独自のトレーナー資格認定の動きといった問題に対応するべくまとめられたATの基本方針です。

「マスタープラン」の策定によりATの認知度や職域については少しずつ改善されていると思われますが、その現状と将来性を把握するためにくわしく見ていきましょう。

アスレティックトレーナーの現状

日本体育協会によりますと2014年の「JASA-AT」登録者数は2,324名とのことです。

「JATAC-ATC」や「NATA-BOC公認ATC」や無資格者を考慮に入れても、ATの人数はまだ非常に少ないと考えられます。

しかし2008年に「JASA-AT」全有資格者1,029名を対象におこなわれたアンケートによりますと、約73%が無期限で常勤として雇用されているとの結果があります。

アンケートの回収率は約50%(505名提出)とのことですから、未回収分を差し引いて考えても比較的安定した就業状況であるといえるでしょう。

ただし複数の資格所有者も多く、「JASA-AT」以外で所有している資格は、

・はり師、きゅう師
・あん摩マッサージ指圧師
・教員免許
・理学療法士
・柔道整復師
・NSCA-CPT
・NSCA-CSCS
・健康運動指導士
・NATA-BOC公認ATC

の順になっています。

また約25%の方が無報酬でATとして活動しているとの回答もあります。

つまり施術所や医療機関、学校などでそのほかの仕事をしながら、ボランティアでAT活動をおこなう方も多いという現状をあらわしています。

その反面、国民大会や国際大会、日本代表に帯同した実績のある方が約57%もいらっしゃいます。

AT活動の対象競技としては人数が多い順に、

・サッカー
・陸上競技
・硬式野球
・軟式野球
・バスケットボール
・水泳
・バレーボール
・スキー
・柔道
・テニス

となっています。

対象競技者の年齢層としては人数が多い順に、

・社会人
・高校生
・大学生
・中学生
・小学生
・混合
・そのほか

とのことです。

対象競技者のレベルとしては人数が多い順に、

・高校全国大会
・大学1部
・日本代表
・国内トップリーグ1部
・プロ1軍
・中学全国大会

となっています。

対象となる競技も年齢層もレベルもさまざまですから、あらゆる現場を体験することで実績が評価される職業といえるかもしれません。

アスレティックトレーナーの将来性

ATの活動基盤の確立は日本国内においてはまだこれからということになりますが、「JASA-AT」資格者が年々増えることによって少しずつ改善しているかと思われます。

「マスタープラン」によるさまざまな取り組みによって職域も少しずつ拡大していることでしょう。

とくに2011年のスポーツ基本法の公布や近年の健康意識の高まり、高齢化社会における運動指導の必要性などにより、今後のATの需要は高まることが期待されます。

2020年には東京オリンピックも開催されますし、競技者やチームの健康管理を担う専門家として具体的な目標をもってATを目指されてはいかがでしょうか。