アートディレクターの役割

アートディレクターという職種の歴史

アートディレクターはもともとアメリカで生まれた職種で、1920年にはすでに「ニューヨーク・アートディレクターズクラブ」という協会が設立されていました。

日本において「東京アートディレクターズクラブ」が設立されたのは1952年。アメリカに比べて30年以上の遅れをとっています。

職種としてのアートディレクターが浸透するようになったのはさらに遅れて1960年代ですが、その頃の広告業界ではすでにグラフィックデザイナーが花形職業として脚光を浴びていました。

グラフィックデザイナーの仕事

このような経緯により、日本ではアートディレクターとはどんな仕事なのかはっきり認識されないまま、現在に至っている感があります。

制作現場の責任者という役割

広告制作の現場でアートディレクターが担うのは、制作責任者であり、指揮監督としての役割です。

CM、雑誌や新聞の広告、インターネット広告、セールスプロモーションツールなどの制作過程におけるビジュアルデザインのディレクションを行います。

まず、広告主や代理店、自社のプロデューサー、プランナーなどとプロジェクトのコンセプトや企画内容の打ち合わせを行い、それを紙媒体などの視覚表現に落とし込む案を考えることから制作がスタート。

グラフィックデザイナーやコピーライター、イラストレーター、カメラマンなどの専門職クリエイターと企画案を共有し、分業しながら1つの制作物を作り上げていきます。

デザインチェックや撮影への立ち会い、企画会議、変更や修正への対応、進捗管理と、その業務は多岐にわたりますが、いい作品ができるか否かはアートディレクターの技量にかかっているといっても過言ではありません。

社内的には複数のクリエイターをまとめ上げる人望とコミュニケーション能力が必要とされ、対外的には広告主のニーズや案件のコンセプトなどをしっかり把握した上での企画力、営業センスやプレゼン力も求められます。

責任や苦労が多い分、やりがいも大きい職業だといえるでしょう。