アートディレクターの現状と将来性

広告業界全体の動向

長らく低迷を続けていた日本の広告業界の市場ですが、ここ数年はわずかながらプラスで推移し、2014年の総広告費は6兆円超えに。2008年のリーマンショック以来の回復を見せています。

しかしながら、この好調の波はインターネット広告の市場が初めて1兆円を超えたことに由来しており、テレビはかろうじて横ばいであるものの、新聞、雑誌、ラジオは前年割れという結果になりました。

今やテレビに次ぐ第2位の広告媒体に成長したインターネット広告。今後もその市場規模は拡大が予想されています。

また近年、注目を集めているのがDMや店頭POPなどのセールスプロモーションツールです。

多くの人に一様にアプローチする広告媒体に比べ、多様化する消費者のニーズをとらえた個々へのアプローチが可能であるとして、より効果的なツールの開発や掲載内容の必要性が高まっています。

さらに、セールスプロモーションとインターネット、モバイルサイトとの連携も顕著になってきているのが、近年の広告市場の特長です。

アートディレクターに求められること

このような市場の動向を受け、広告主企業からもセールスプロモーションやインターネット広告の依頼が増えてきました。

かつての「話題性」や「イメージアップ」を狙った広告より、「売れる」「流行る」をキーワードとした直接購入や来客につながるアプローチが求められているというわけです。

当然、制作の指揮を取るアートディレクターにも、こうした媒体やアプローチ方法へのノウハウが必要になります。

しかも知識があるというだけでなく、他社とは差別化されたオリジナリティの高い表現、アイディア、コンセプトを提案する力が求められるのです。

加えて、自分が束ねるグラフィックデザイナーやコピーライターなどのクリエイティブスタッフに対しても統率力を発揮し、同様の知識や能力を蓄えてもらう必要があります。

今後高度化、専門化、先端化していく広告市場においてこそ、より高い能力を持ったアートディレクターの必要性が高まっていくといえるでしょう。