アナウンサーをやっていてよかったこと(体験談)

執筆者:あっこ 32歳 女性 経験年数8年

一生モノと言えるスキルが身についた

アナウンサーをやっていてよかったこと、それは、一生モノと言えるスキルが身についたことです。

正しい日本語の使い方、老若男女誰にでもわかる伝え方、人とお会いする際に恥ずかしくないマナーや立ち居振る舞い、などです。

これらはお金を払ってレッスンを受けても、なかなか身につくものではありません。厳しい仕事の中で、後から付いてくるご褒美のようなものです。

幅広い世代に受け入れられる伝え方

アナウンサーはただニュース原稿や台本を読むだけと思っている人がいるかもしれませんが、そんなことはありません。

テレビやラジオに出ている時間は、全体の10分の1程度です。

そのほかの9割の時間は、その準備に費やします。自分で取材や下調べ、勉強をし、自分で台本や原稿を書くのです。

テレビ局の中にもいろいろなプロがいます。ディレクターはテレビ番組を作るプロ、記者はニュース取材のプロ。アナウンサーは言葉のプロです。

放送は、幅広い地域の幅広い年代の方が見ます。背景知識や理解力はさまざまです。

そうしたすべての人たちに、たった一度の放送でわかってもらうには、どう伝えればよいのか。それを常に考えているのがアナウンサーです。

ディレクターが書いた原稿に対して、「この言葉遣いはふわしくないですね」とか、「この方がわかりやすいですよ」と意見をすることもよくあります。

むしろそれができてこそ真のアナウンサーです。

こうした作業を通して、一言一言を真剣に捉え、吟味して、その場にマッチする言葉を紡ぎ出す力がつきました。

これはアナウンサーでなくても、一般社会では非常に重宝されるスキルです。

見られる職業だからこそ身につく美しい立ち居振る舞い

アナウンサーは取材や収録を通して、たくさんの著名な方々にお会いします。政治、経済、スポーツ、各界のトップと言える方々です。

そういった方々に、大学を卒業したばかりの新人でもお会いできるのがアナウンサーの魅力の一つでもありますが、一方で、そうした方々にお会いするのにふさわしいマナーや立ち居振る舞いが求められます。

先輩の取材に立ちあったり、先輩アナウンサーから厳しく指導いただきながら、そういったマナーや立ち居振る舞いも身についていくものです。

たとえば、手先の使い方が雑だったとか、もっと丁寧にご挨拶しなさいとか、お席へのご案内がなっていないとか、そういうご指導を新人のときはたくさんいただきました。

ときには視聴者の方から「箸の持ち方が美しくない」とご指摘をいただくこともあります。

たくさんの人の目に触れることは大きなプレッシャーでもありますが、そのおかげで、どこへ行っても恥ずかしくない立ち居振る舞いが身についたと思います。